願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

あだち充と僕/そして『タッチ』と僕

 

タッチ 完全復刻版 26 (少年サンデーコミックス)

タッチ 完全復刻版 26 (少年サンデーコミックス)

 

 

 ・・・・・・漫画を買いすぎると、必ず置くスペースがなくなる。そのような場合、ほんとうに思い入れのある作品ではないならば、「この巻は重要な内容が含まれているから」「ここらへんの話が昔読んで面白かったから」という基準で残すものを決める。

 あだち充作『タッチ』は単行本で全26巻であり、とても全巻を置いておく物理的余裕はない。第26巻、つまり最終巻は残した。

 あまりにも有名な最終巻であるが、僕は「最終巻のあたりは原作とアニメで違っていたはず」「最終巻の内容をあまり覚えていなかったから、読み返したい」という理由で最終巻を残した。

 それにしても最近、あだち充の作品を読むことが多い。『陽あたり良好!』『MIX』を読み、『ラフ』を買った。『H2』の最終34巻だけは手元に置いておきたいかな。『タッチ』とは違った理由で--。

 

 僕が「週刊少年サンデー」を読み初めたとき、あだち充は『KATSU!』を連載していた。『KATSU!』のひとつ前の連載が『いつも美空』、ひとつ後の連載が『クロスゲーム』だった。

『KATSU!』の連載終了はよく覚えている。最終回のひとつ前の号、あだち充が巻末コメントで「このあたりから面白くなってくるんですけど・・・・・・」という風なことを言った。もちろん当時の巻末コメントを克明に覚えているわけではない。でも、「このあたりから面白くなってくるんですけど~」的なコメントが載った次の号で『KATSU!』が完結したのは克明に覚えている。

 

 ちなみに僕がリアルタイムで初めて視聴したあだち充原作アニメは『クロスゲーム』である。

 いや、正確には、その前に『タッチ CROSS ROAD〜風のゆくえ〜』という特番を観たはずだ。枠は、何故か日本テレビ系の『金曜ロードショー』だった。要するに『タッチ』の後日談である。

 

 ここに来て、ようやく連続TVアニメ『タッチ』(1985年3月~1987年3月)の話ができる。

 本放送の放送局はフジテレビ系列だった。日曜日の夜19:00、つまり『サザエさん』の直後に放映された番組だった。

 全話を観たか観なかったか? というナンセンスな問いを抜きにして、おそらく、日本人で、このアニメを一度も観たことのない人のほうが少ないのではないか? というレベルの国民的アニメである。そして、このアニメの<ひとつめの>主題歌を聴いたことのない日本人は、おそらくもっともっと少ない。そういう意味では、岩崎良美は歌手として姉の岩崎宏美を凌駕しているともいえる。

 

 僕がキッズステーションの再放送で『タッチ』を観ていたのは2002年ごろ、あの頃は、「間が悪い」と思ってアニメ版『タッチ』を高く買っていなかった。

 あのころのアニメ版『タッチ』に対する心情をいまの地点から説明するとしたら。

 

「アニメ版はあだち充の抒情性を表現しきれていない」

 

 こういうガキがいたら、大層生意気である。もちろん当時の僕は「抒情性」なんてことばは知らなかった。

 

 この『タッチ』というTVアニメ、歳を取るごとに評価が好意的になるから、不思議なものである。

 では、果たしてどの地点でTVアニメ版『タッチ』の評価が好転したのかというと・・・・・・。