願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

ボートレース(競艇)について その2

 2014年のオールスター(笹川賞)とグランドチャンピオン(決定戦)で、菊地孝平はSGを連続優勝した。ただ、オールスターも、グランドチャンピオンも、菊地は優勝戦1号艇ではなかった。オールスターとグランドチャンピオン、ともに優勝戦1号艇は今村豊だった。「ミスター競艇」と呼ばれてきた、艇界の看板選手だ。たしか、僕の親父とほぼ同じ世代だったと思う。つまり、50代であり、もう若くない。

 

 ときどき、JRA武豊だったり、大井競馬の的場文男だったり、競輪の神山雄一郎だったり、それぞれの舞台で主役を張ってきたプレイヤーがもう若くはないので、「彼らが引退したら公営競技はどうなってしまうのだろう?」と思うことがある。今村豊も彼らのような存在である。

 ただ、「どうなってしまうのだろう?」という思いは、不安という意味だけではない。

 

 話が大きく横道に逸れてしまった。

 菊地孝平は、オールスターでは2号艇(2コース)、グランドチャンピオンでは4号艇(4コース)で今村豊を倒した。特にグランドチャンピオンでの”4カド”からの「まくり」は峻烈なものであり、僕がボートレースを観始めて初めて超一流選手の圧倒的な技術を目の当たりにした瞬間だった。

 

 グランドチャンピオンの次のSGであるオーシャンカップを制したのは、その年にG1を初優勝したばかりの吉田拡郎であった。思わぬ幸運で優勝戦1号艇を手にし、インから逃げ切った。

 

 オーシャンカップの次のSGは、ボートレースメモリアル(旧・モーターボート記念)である。

 前年の大会では、優勝戦で、3号艇の篠崎元志がフライングを犯すという大波乱になった(まぁ、結局はこれが後々の伏線だったわけだが・・・・・・)。

 ここで、「フライング」について少し説明したい。

 ボートレースで、「波乱」と呼ばれるのは、本命選手がフライングを犯したり、大レースの優勝戦でフライングが発生したときである。2013年のモーターボート記念は、後者のケースに当たる。

 フライングが発生すると、フライングを犯した選手の舟券はすべて返還になる。つまり、大レースの優勝戦でいちばん売れている選手がフライングしたりすると、そのレースを開催しているボートレース場にとっては大損害になる。売り上げがごっそり減るからだ。そして、そういうケースが、過去に幾つか発生している。

 

 2014年ボートレースメモリアル(若松ボートレース場)の優勝戦に進出した白井英治も、過去にSGの優勝戦でフライングという苦汁をなめた選手であった(ちなみに、白井英治の師匠は今村豊である)。何度もSG優勝戦に進出しているものの、勝つことが出来ないでいた。いわゆる「無冠の帝王」というやつだ。

 優勝戦の1号艇は、それまでG1も優勝したことがなかった谷村一哉だった。谷村、2号艇の白井、3号艇の寺田祥、内の3枠はすべて同じ山口支部の選手だった。それまでの実績からか、2号艇の白井は、1号艇の谷村をおさえて一番人気に支持されていた。

 さぁ、白井英治は、己との戦いに打ち勝ち、SGの優勝戦を先頭でゴールインできたのだろうか?