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願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

ミスターシービー(その3)

京都競馬場の最大の特徴といえば、“3コーナーの坂”をおいて他にない。(JRA公式サイト 2017年5月7日閲覧)

 

 わざわざオフィシャルの方からそう強調しているように、京都競馬場芝コース第3コーナーの『坂』は、競馬ファンにとって非常に有名であります。

 なぜ?

 

外回りコースの場合、坂の高低差は4.3m(内回りコースは3.1m)にも及び、向正面の半ばから3コーナーにかけて上り、4コーナーにかけて下るというレイアウト。 (同じくJRA公式サイトより。傍線部は筆者)

 

 かつては、『淀*1の坂はゆっくり上り、ゆっくり下れ』という格言がありました。格言というよりも、”戦法”とか”セオリー”といったほうがいいでしょうか。

 もちろん、ミスターシービーが出走した1983年菊花賞当時も、この格言は生きておりました。

 この年の菊花賞のゲートが開くまでは。

 

 前回のとおり、ミスターシービーは前哨戦・京都新聞杯カツラギエースに惨敗、しかも血統面の不安から「三冠達成」に暗雲が立ち込めておりました。

 それでもミスターシービーは4枠9番の『単枠指定』、単勝2.1倍の1番人気に支持されておりました。

 

驚愕の菊花賞

 ”青い帽子”ミスターシービーは、ゲートが開くと、例によって、後方2番手に控えます。

 一周目のスタンド前。大歓声のなか、ミスターシービーはさらに位置を下げて最後方に。

 この時点で、まさに場内騒然。

 二周目の3コーナー手前。

青い帽子が上がっていった!!

 関西テレビ杉本清アナウンサーが叫びました。

 ミスターシービーが、最後方からグーンと上がっていったのです。

 坂の上りでミスターシービーはグングングングンスパートしていきます。

 もはや、場内は騒然、というレベルを超えた空間になっていました。そんなバカな。あんな戦法で勝てるわけがない。失速する。三冠は絶望だ、赤信号だ・・・・・・。

 ところが。

 坂の下り。もうミスターシービーが前から2番手に取り付いています。

 さっきもいったとおり、このレースまでは、3コーナーの坂はゆっくり上りゆっくり下るのが鉄則。

 ミスターシービー吉永正人は、そんな鉄則を完全に無視。

これが三冠街道か、ミスターシービー

 杉本アナの名台詞が炸裂。ミスターシービー吉永正人は4コーナーで先頭。

 つまり、ミスターシービー吉永正人は、二周目のバックストレッチから4コーナーにかけて、最後方から全馬をゴボウ抜きして先頭に立つという超ロングスパートをかけたのです。

大地が、大地が弾んでミスターシービー

 あまりにも有名な杉本アナの名台詞とともに、ミスターシービーは直線で失速するどころか、後ろの馬を突き放し、ゴールイン。

 シンザン以来19年ぶりの三冠達成! 

 

 実は、ミスターシービーは、三冠レースの距離が伸びるごとに、他馬との着差を広げていったのです。

「父:トウショウボーイ」のミスターシービーは、血の宿命を見事に粉砕したのです。

 

次回お楽しみに

*1:京都競馬場の俗称