願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

ミスターシービー (その1)

競馬の殿堂

ミスターシービー(1986年選出)

 

bakhtin1988.hatenablog.com

 

 ↑の記事で、「トウショウボーイが顕彰馬に選出された決定打は、種牡馬としての驚くべき活躍によるもの」と書きました。

「驚くべき活躍」とは、何を隠そう、史上3頭目の三冠馬ミスターシービーを生んだことです。

 

 ミスターシービー:父トウショウボーイ、母シービークイン、母の父トピオ。

 ここで「トウショウボーイシービークインは現役時代~」という”枕ことば”が、今までの名馬読本のたぐいでは必ず入っていました。なので、あえて無視しましょう。

 トウショウボーイ内国産馬であり、ミスターシービー父内国産馬であります。『父内国産馬』とは何か? 日本で受胎し産まれた種牡馬の仔のことだと、ぼくは思います。なぜ断定できないのかというと、ここらへんの事情はややこしすぎて、説明をしすぎるほうが却って読者のかたを混乱させてしまうと思ったからです。

 ミスターシービーはいわゆる「マル父」です。マル父って何ぞや? 父内国産馬のことです。父内国産馬が出走するレースの出馬表には、かつて当該馬に「マル父」マーク(漢字の”父”を◯で囲む)がついておりました。

 

 

 ↑に収録されている第50回日本ダービーの馬柱のミスターシービーのところにも、ちゃんと「マル父」マークがついていたはずです。

 ぼくが10代のころはまだ「父内国産馬限定重賞」が残っておりました。愛知杯カブトヤマ記念(廃止)と中日新聞杯です。現在は愛知杯牝馬限定重賞、中日新聞杯ただのハンデキャップ重賞(←おい!!)に様変わりしております。

 ですが、ミスターシービーはそんなレース出ないくらい強かったので、話をここで軌道修正しましょう。

 

 ミスターシービーは1982年11月6日、東京競馬場でデビューし、初陣を飾りました。

 3歳時(現:2歳時)には3戦走って2勝2着一回。唯一負けたウメノシンオーには、年明けの共同通信杯で雪辱を果たしています。ここからミスターシービーは破竹の勢いで二冠達成まで上り詰めるわけです。

 

 

 ここで、ミスターシービーのパブリック・イメージを決定づけた、レースでの戦法について触れておかなくてはなりません。

 

 この記事を書くうえで、どうしてもミスターシービーの2冠レースを見ておきたかったので、新橋の「GateJ」という施設に行ってきました。

「GateJ」とは、まぁ競馬専門の図書室みたいなものです。

 それで、新橋に行かないと、古い重賞レースは動画で見られないのです。

 ミスターシービー皐月賞とダービーを観ました。

 

皐月賞

 極悪馬場。なんと多頭数で単枠指定ミスターシービーは1コーナーで最後方のインコース。しかしながらあいだを割って(!)上がっていくと、4コーナーでは先団にとりつき、馬場の傷んでいない外側を選んでメジロモンスニーとの壮絶な競り合いに勝利(半馬身先着)。

 

日本ダービー

 皐月賞同様後方から*1。当時は20頭立て以上の多頭数がデフォルトのダービーで、中段より前につけていないとジ・エンドな位置取り。ところがのちの三冠馬に、そんなジンクスは通用しません。馬群を割って上がっていき、4コーナーでは先行集団の外。

 そして早め先頭で押し切り! その力走は日本ダービードゥラメンテを思い出すものがありました・・・・・・が、直線で大きく斜行(まっすぐ走らないこと)し、他馬に不利を与え審議に。しかし鞍上の吉永正人が騎乗停止になっただけで済み、見事ミスターシービーは二冠馬に上り詰めたのでした。

 

 そうです、ミスターシービーのレースぶりは「破天荒」の一言に尽きるのです。

 似たタイプの三冠馬がいました。オルフェーヴルではなくディープインパクトです。

 ディープインパクトミスターシービー、どちらも「破天荒」なレースぶりで人気を集めた馬でした。

 ちなみにミスターシービーの1歳下にシンボリルドルフという無敗の三冠馬がいるのですが、人気は圧倒的にシービーのほうが上だったらしいです。須田鷹雄さんや鈴木淑子さん、フジテレビの福原直英アナウンサー、彼らはミスターシービーの時代に競馬にのめりこんだ世代です。とくに鈴木淑子さんは当時競馬中継のアシスタントなりたてで、そこにミスターシービーが現れたので「ゾッコン」だったとか。シンボリルドルフの時代ではなく、ミスターシービーの時代にのめりこんだのです。

 ちなみに、ミスターシービー=追い込み みたいな図式になっていますが、三冠レースは4コーナーではいずれも隊列のいちばん前のほうにいるのです。そこが「破天荒」たるゆえんなのです。

 

 京都新聞杯以降の動向、シンボリルドルフとの絡み合いなどは次回に・・・・・・

 

つづくよ

*1:ちなみに皐月賞もダービーも同じ単枠指定5枠12番