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願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

競馬新聞ほど面白い新聞はない!!

競馬新聞受難の時代

 競馬新聞の存在意義とは何でしょうか?

 紙媒体以外の情報源の発達により、競馬新聞の地位が相対的に低下しています。

 かつては、競馬新聞の予想印が、人気の指標になると言われていました。
 僕の育った地域では「競馬ブック」という新聞が支配的で、◎(本命印)が◎◎◎◎◎◎……とずらりと並んでいたら、まず1番人気確実。「穴予想はこの人」というのが決まっていたので、その人の印を抜かせば、だいたいの人気がわかったのです。

 最近になって、「新聞の印を鵜呑みにしてはいけない」という考えが一般化したのでしょう、競馬新聞の印が人気に与える影響が低下しました。

 いち早く全場36レースの馬柱(うまばしら。予想のための出馬表)の掲載を始めたのは、1馬(現「優馬」)だったと思います。「競馬エイト」が追随し、最大36レース掲載になりました。その一方で、「馬」「ダービーニュース」等、時代の流れについていけない新聞は、容赦なく潰されていきました。

日刊競馬

 ところで、競馬ファンのかたは、「日刊競馬JRA版が、今いくらかご存知でしょうか?

・答→470円(税込)

 この値段は、「優馬」や「競馬エイト」より安いです。「どうせ『日刊競馬』だから関東主場(東京競馬・中山競馬)と関西のメインレースぐらいしか力入れてないんだろう?」その通りです。ですが、36レース馬柱掲載で500円だからといって、「おトク」とは限りませんよ。「なんでだ?」と思った競馬ファンの方は、ちょっと理由を考えてみてください。

 JRA版「日刊競馬」は、本紙・飯田正美と柏木集保が死んだら、たぶん廃刊まっしぐらでしょう。ならば、この二人が健在のうちに、読みまくっておきましょう。

競馬黄金メソッド6―飯田式馬券必勝ポイント!

競馬黄金メソッド6―飯田式馬券必勝ポイント!

 (本紙・飯田正美のこの本。やや中級者寄りですが、おすすめの指南書の一冊です。)

競馬新聞の印で馬券を買ってはいけない

競馬新聞は「コロコロコミック」だと思え!


コロコロコミック」ってありますよね? 

 小学生の頃、月のお小遣いが500円で、500円だけ握りしめて、スーパーマーケットに「コロコロ」を買い求めに行きました。

 先述したとおり、競馬新聞の値段は500円前後です。
 
 
 競馬新聞は、月8回発行される「コロコロコミック」だと思え


↑は、僕オリジナルの「競馬格言」です。
「( ゚Д゚)ハァ?」と殆どの方が思われたでしょう。
無理もありません。

 僕は、競馬新聞の予想で馬券を買ってはいけないと思っています。
 つまり、競馬新聞に載っている「買い目」をそのままマークシートに書き写して、馬券を買ってはいけない
 なぜか?

  • 儲からない
  • 自分で考える力が身につかない
  • 馬券が外れたのを人のせいにするようになる
  • 「馬券は自己責任」という考え方が身につかない

 月8回発行される「コロコロコミック」に振り回される人生、なんて滑稽な人生でしょうか。
 しかしながら、僕が、競馬新聞の存在を完全否定しているわけではありません。
 そうです、再三言っているように、「コロコロコミック」として読めばいいのです。
 子どものころ、「コロコロコミック」より面白い読み物があったでしょうか?

 競馬新聞は、読もうと思えば、いつまでも読んでいられる。
 柏木集保が、何かの本でそう書いていました。実は、これを言い出したのは、作家のアーネスト・ヘミングウェイだったと思うのです。ヘミングウェイは、実は大変なバクチ狂いでした。競馬にものめり込みました。海外の競馬新聞は、日本の競馬新聞ほど隅々まで情報が細かく書かれていないそうです。それでもヘミングウェイは、最良の読み物として競馬新聞を評価していたのです。

 では、日本の競馬新聞は、どのような点に「読み応え」があるのでしょうか?

日刊競馬」をしゃぶりつくせ!

ケーススタディ 「スピカステークス」

3月4日付の「日刊競馬」を例に取ってみます。
「個人的には、1600万下の出馬表を見て、ようやく各馬の個性がイメージできるかなといった感じであります」とこの記事で書きました。この日は1600万下条件の「スピカステークス」が組まれていました。この馬柱を見てみることにします。馬柱やWebの出馬表が見られる方は見ながら読んでいって下さい。
 
 まず条件は、「中山・芝・内回り・1800m・定量」です。
 なぜわざわざ条件のことを断っておくかというと、時々「内回りか外回りか」「距離は何メートルか」「定量かハンデ戦か」ということを見過ごしてしまうことがあるからです。信じられないかもしれませんが本当の話です。僕に限った話ではないと思います。なので、条件は必ず確認しましょう。

 さて、本紙・飯田の印は、◎トーセンマタコイヤ ◯ワンブレスアウェイ ▲アーバンキッド、以下、スモークフリー→マイネオーラム→ゲッカコウの順でした。各馬の「素質」を考えれば、妥当な評価でしょう。
 結果は、ワンブレスアウェイ→マイネオーラム→ゲッカコウで決まり、トーセンマタコイヤは惨敗、本紙予想は外れてしまいました。
 そうです、馬の素質や能力についていくら正確な評価ができても、予想が当たるわけではないのです。

 それでは出走馬全10頭について、「日刊競馬」から読み取れることを解説していきましょう。

トーセンマタコイヤ

 6歳ながら全成績「4,3,1,1」と、底を見せていない素質馬です(ちなみに全成績や脚質は「日刊競馬」の場合欄外に書かれているので注意して下さい)。ディープインパクト産駒で、妹にミッキークイーン(GⅠ馬)がいる良血馬。休み明けの前走は2着に敗れたものの、勝った馬はメートルダールという伸び盛りの4歳馬で、復帰初戦としては上々。中山芝も2回走って1勝2着1回。

ワンブレスアウェイ

 全成績「3,4,1,2」と、底を見せていない4歳牝馬。社台グループの馬で、姉にキャットコイン(重賞勝ち馬)がいるなかなかの良血馬。前走は牝馬限定戦で1番人気を裏切ってしまいましたが、復帰戦で2着なら上々。中山芝は初めて。中山芝得意のイメージ強いステイゴールド産駒ならこなせるか。敢えて牡馬との混合戦を使いに来たのも気になります。

アーバンキッド

 GⅢ3着の実績がある、伸び盛りの4歳牡馬。ワンブレスアウェイと同じくサンデーレーシング所有の社台馬で、中山は2戦2着2回。前走は関西遠征で人気を裏切って8着でしたが、差は0.5秒。間隔は空きましたが、このクラスを勝てる素質は持っていると評価しての▲評価でしょう。

スモークフリー

 この馬のことはよく覚えています。なぜかというとPOG(ペーパーオーナーゲーム)でこの馬を指名していたからです。ところがダートと芝の間で迷走。重賞のひとつは取られると思っていたのに……(´・ω・`) 裏を返せば、それだけの素質があるということです(ディープ産駒だし)。中山芝はどちらかと言うと苦手。昇級で相手関係も気になるところ。

マイネオーラム

 6歳牝馬ながら、中山ではしぶとい馬。2走前の中山場所で2着、3走前の中山場所で3着。前走8着で人気を落としています。ワンブレスアウェイと同じくステイゴールド産駒。ヒモ(軸馬の相手)には押さえておきたいということで本紙の見解では△評価。

ゲッカコウ

 4歳牝馬で、マイネオーラムと同じく岡田繁幸グループの馬(同じ勝負服)。そもそも所属厩舎が同じです。前走は人気薄で厩舎の先輩マイネオーラムに先着。4走前の3着は恵まれた感があるが、ここでは2着なら……という評価(本紙の買い目の一番下に馬単4→1:トーセンマタコイヤ→ゲッカコウ)。いわゆる「押さえ」です。

カレンリスベット

 3走前に人気薄でタイム差なしの2着がありますが、そのときはハンデ戦。差し・追い込み一手の脚質で全幅の信頼は置きづらい。

トミケンスラーヴァ

 前走は重賞で6着も、斤量が6キロ増えます。7歳だけに上がり目は期待薄。

ショウナンマルシェ

 昇級馬。前走はスローペースを先行で恵まれた感あり。1800は得意の距離ですが……。

ダイヤモンドダンス

 地方(南関東競馬)出身の8歳馬なので、どうしても低く見積もりがち。4走前のように、意外性はあるのですが……。


 しかしながら、こういう解説も、かなり「新聞の印」に引っ張られたものになってしまっています。それに本紙の予想は外れています。新聞の予想は、馬券に直結しないという、「仮説」が立ってしまいます。

 ここからは、僕独自の馬柱の読み方を説明してみます。つまり、「コロコロコミック」的な新聞の読み方です。
 それは、「出走馬を何かに例えてみる」という読み方です。
 そうですねえ。
 思いっきり趣味全開で申し訳ないのですが、漫画やアニメに例えてみましょうか。

トーセンマタコイヤは「化ける化ける詐欺」のアニメ!?

 トーセンマタコイヤは、早くから将来を嘱望された馬でした。しかし体質が弱く、なかなか上のクラスまで行けませんでした。↑にも書いたとおり、6歳にも関わらず9戦しかしておらず、馬券圏内から外れたのが1回だけ(しかも4着)。スピカステークスでは、圧勝を期待したファンもいたはずです。
 ところが、トーセンマタコイヤは惨敗してしまいました。

 テレビアニメでは、「化ける」というオタク用語があります。
 地味な作品が、ある話数を境として劇的に面白くなるという現象のことを言います。
 トーセンマタコイヤは、どちらかと言うと「化ける化ける詐欺」のアニメに例えられます。
 つまり、豪華スタッフをそろえるなど前評判がよかった作品が、なかなか面白くならないという「化ける化ける詐欺」。
 トーセンマタコイヤは、スピカステークスで、ファンの期待を大きく裏切ってしまいました。
 レース映像を観ると、そこまで悲観する敗北ではないような気もします。ですが、トーセンマタコイヤをそろそろ見限ってしまうファンも出てしまいそうです。
 まるで、放送前は期待されていたアニメを見限るように。

マイネオーラムは「地味に打ち切られない少年漫画」

 漫画雑誌を読んでいて、「この漫画、ずっと後ろの方に載ってるのに打ち切られないなあ」と思ったことはないでしょうか?
 マイネオーラムは牝馬であり、「少年漫画」に例えるのは語弊がある気もします。ですが、いかにも『週刊少年サンデー』あたりで、下位のほうでしぶとく粘っている漫画のような存在なので、あえて「地味に打ち切られない少年漫画」に例えてみました。
 たぶん、「マイネオーラム」という馬名自体が、ファンに強いという印象を与えないのだと思います。
 ですが、マイネオーラムは、スピカステークスでしぶとく2着に食い込みました。名前のせいで損をしているのであって、中山では堅実に結果を残すのです。
「派手じゃない」「堅実に結果を残す」まさに、『週刊少年サンデー』で後ろの方に載っている長期連載のような存在です。
 そうですねえ、古い例ですが、皆川亮二先生の『D-LIVE!!』という漫画みたいなものでしょうか? この漫画は、ほぼ巻末連載のような形式でしたが、打ち切られませんでした。
 あるいは、藤田和日郎先生の『月光条例』が、看板連載とは行かずとも、いつの間にか30巻近くまで続いていたという事実。
 
 マイネオーラムは牝馬であり、引退後は繁殖牝馬としての使命があります。そんな「各馬の余生」も考えながら馬柱を読むのは、斬新な読み方といえないでしょうか。

 馬を人間の人生に例えたりするのは、ある意味常套手段です。競走馬は何にでも例えられるのだと思います。

まとめ

 そして、こういうふうに「例え話」として読める馬柱が、「日刊競馬」では15レース~20レース掲載されているのです。
競馬が終わってから競馬新聞を読む」 というやり方を、僕はすすめたい。特にJRAーVANを導入している中級者以上の方には、是非ともすすめたい競馬新聞の使い方であります。

 今回は幾分中級者以上のファンの方寄りの記事になってしまいましたが、初心者のかたにはある程度競馬に習熟してからこの記事を読み返すことを熱望したいです。