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願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

僕の高校時代における、ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

崩壊アンプリファー

崩壊アンプリファー

 

  このアルバムがメジャーで発売され、「遥か彼方」が『NARUTO』のオープニングテーマとなっていたとき、僕は中学3年生だった。

 

 

君繋ファイブエム

君繋ファイブエム

 

  そして同年の11月にメジャーファーストアルバム『君繋ファイブエム』が発売されるわけだが、その頃まだ僕はアジカンを聴いていなかった。というより、音楽を聴く習慣があまりなかった。

 

 高校に進学して、アニメから少し遠ざかるようになって、代わりに、本をいっぱい読んだり、音楽に興味を持ち出すようになって昼飯代をケチってアルバムを借りたりした。その当時はMDというメディアが健在であり、借りたCDをMDにダビングして、正方形のウォークマンで聴いていたりした。

 

 そんな高校時代に、僕はアジカンと出会った。セカンドアルバム『ソルファ』は既に発売された後で、僕は後追いの形でアジカンを聴くようになった。

 

ソルファ

ソルファ

 

 なぜアジカンを聴きだしたかは、よく覚えてない。ただ、「ロッキング・オン・ジャパン」という雑誌の存在を強く意識するようになった頃ではあった。

崩壊アンプリファー』から順に聴いていった。

崩壊アンプリファー』を初めて聴いた時、「面白いバンドだな」と思った。絶叫するボーカル、やたら音のデカい演奏、ひねった楽曲の構成。

 当時は、「羅針盤」という曲がいちばん好きだったと思う。「羅針盤」は、単純な構成の曲だ。最近ではむしろ、「サンデイ」のような『ひねった楽曲の構成』という側面に興味が移っている。いずれにせよ、『崩壊アンプリファー』収録曲を聴くたび、「面白いバンドだな」と思っていた高校時代を想起するのである。

 

 そして次に僕は『君繋ファイブエム』を聴いた。正直、最初聴いたときは、このアルバムがよくわからなかった。しかし何度も聴いていると、ほとんどの曲が身体に吸収されていくように、このアルバムが好きになってしまっていた。そしてASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドのことも。

 それは高校2年の夏だったろうか。学校をさぼってカーテンを締め切った部屋で、ずっとラジカセで『君繋ファイブエム』が入ったMDを再生している。僕は布団に寝っ転がって聴いている。あるいは布団の上でまどろんでいたかもしれない。ある時、陶然とするような瞬間があった。このアルバムを「わかった」かもしれないという瞬間。ASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドが、『コチラ側』のものになったという瞬間。

 

 だから、いちばん売れたアルバムの『ソルファ』にはガッカリしてしまった。何故かと言うと、楽曲がポップになりすぎていて、ゴッチが声を枯らして絶叫しなくなったからだ。残念ながら『ソルファ』は、いちばん売れたけれども、僕のなかではいちばん評価の低いアルバムだ。

 それでも、そんな体たらくの『ソルファ』を何度も聴いていると、やはり、感性と言うか、想像力というか、そういう精神的な部分が楽曲によって触発されることがあった。ゴッチが声を枯らして絶叫しなくなったのは痛かったが、『ソルファ』の音自体は、今も僕の精神的な部分に刺激やインスピレーションを与えるものだ。

 

 

ファンクラブ

ファンクラブ

 

  そして、リアルタイムで初めて聴いたアルバムは、サードアルバムの『ファンクラブ』だった。

 当時、NHKーFMで「サウンドストリート21」という番組が放送されていた。月替わりでミュージシャンがパーソナリティを担当する音楽番組だった。

 で、アジカンがパーソナリティだった月が、ちょうど『ファンクラブ』のリリース前後であり、そこで初めて僕は『ファンクラブ』の楽曲を聴いたのだと思う。「真冬のダンス」や「ブルートレイン」という曲が流れた。『ソルファ』に失望していた時期だった僕は、その放送を聴いて、アジカンは終わっていなかった」と確信するようになった。

 

 当時、学校では、邦楽のロックバンドならば、(とっくに解散していたけれど)ミッシェル・ガン・エレファントが流行っていた。ASIAN KUNG-FU GENERATIONくるりを難しい顔で聴く僕を、同級生は不思議がっていただろう。とくにアジカンなんて、難しい顔で聴くような音楽でもないのに。それは心の隅っこのどこかでわかっている。でも、たしかに僕はASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドを真剣に聴いていたのだ。

 

 

 

 

Wonder Future(初回生産限定盤)(DVD付)

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  最近になって、やっと最新のフルアルバムである『Wonder Future』を聴いた。正直、最近の楽曲を聴いてしまうと、「アジカンも落ち目だな」と思ってしまう気がして怖かった。

 しかし、不安は杞憂だった。落ち目どころか、『Wonder Future』で、アジカンはこれまでとは全く違う音を奏でていたのだ。アジカンは変わった、しかも、良い方向に。アジカンは進化したのだ。