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願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

ばふちんとやこぶそん、タルコフスキーの小論文「2000年のテレビアニメ」を添削する(前編)

ばふちん「最近思うことがあるんだけどね--」

やこぶそん「何よ」

ば「『太く短く』アニメに関わるよりは、『細く長く』アニメを観ていきたいなあ--と」

や「ほほぉ、どういうことだい?」

ば「いやね、熱に浮かされたように、いっときはアニメにハマるんだけど、すぐにアニメから卒業してしまうひとを、最近見ることが多くなったんですよね」

や「つまり、そのひとにとっては、『太く短い』アニメライフに留まってしまった、と……」

ば「そういう人は、ここ2・3年のアニメについては、俺よりも遥かに詳しいんですよ」

や「まぁね」

ば「でも、長期的に観た場合どうかというと--」

や「うん」

ば「たとえ観るアニメの数はコンパクトにおさまっていても、たとえば30年間観続けていたら、誰もその人をアニメファンではないとは思わないよね」

や「そうだねえ。それに加えて、アニメに対して何か意見を言える実力があったら、その人はもう立派なアニメファンで間違いないよね」

ば「ほら、『◯◯』のXXさんとか、『△△』の☆☆さんとか、典型的な『細く長く』タイプのアニメファンだよね」

や「その◯◯とかXXには、何を代入すればいいのさw」

ば「そこは任意でお願いしますよw」

 

 そこにテレビ番組クラスタタルコフスキーくんがやってきました。

 

タルコフスキー「ばふちんさん、やこぶそんさん、こんにちは」

ば・や「おや、珍しい」

タル「実はですね、僕、ある小論文を書いたんですよ。その小論文はアニメに関することだったんで、アニメに詳しいおふたりに添削してもらいたいんです」

や「なになに、テーマは『2000年のテレビアニメ』か……」

ば「テレビ局別にまとめてあるのね?」

タル「はい、厳密ではないですけど」

ば「よーし、『放映枠将軍』の俺の出番だ」

 

~数日後~

 

タル「(添削された小論文を受け取って)ふぇぇ、赤線がこんなに……まいりましたねえ」

ば「ドンマイドンマイ」

や「とりあえず赤線で指摘した部分を見ておいてよ」

 

タルコフスキーが書いた「2000年のテレビアニメ」についての小論文 ※下線の部分は、ばふちん・やこぶそんが赤ペンで添削したところ

 

・はじめに

(略)

 

・フジテレビ系

 

 大成功したデジモンアドベンチャー』の直接の続編として『デジモンアドベンチャー02』が放送されたが、種々の要因により賛否両論アニメになる。後番組の『デジモンテイマーズ』では、世界観・登場キャラは一新されることとなった。

GTO』の後番組『学校の怪談』は、第3話が諸事情によりお蔵入りになるなど波乱のスタートを切った。もともとこのアニメは、『ONE PIECE』を日曜19時30分枠に迎え入れるための「つなぎ番組」という性格が強かった。しかしながら、視聴者の反響は大きく、その一例として、匿名掲示板「2ちゃんねる」の「アニメ板」では、初めて『本スレ』数が100スレを超える人気作品であった。

 

テレビ朝日

 

 東映アニメーションが、オリジナル企画『マシュランボー』で勝負に出たが、あえなく打ち切りとなる。なお東映の放映枠自体は、深夜帯の『勝負師伝説 哲也』に移動し存続したという説が有力である

 日曜朝の子供番組枠は堅調であった(なおこの年に『仮面ライダークウガ』が放送開始し、平成仮面ライダーシリーズがスタートしている)。朝7時枠の『ニャニがニャンだーニャンダーかめん』は、同じく原作者がやなせたかしである『それゆけ! アンパンマン』(日本テレビ系)と同一のコンセプトだったが、80話以上続くかなりの長期アニメになった。

おジャ魔女どれみ』は1期が好評だったため延長が決定した。しかし佐藤順一シリーズディレクターを降り、五十嵐卓哉山内重保の共同シリーズディレクター体制となる。テーマが「子育て」になり、「主人公の春風どれみが、赤ん坊のハナちゃんを育てる」というコンセプトになった。そのテーマゆえに、フジテレビ系の『デジモンアドベンチャー02』ともども賛否両論アニメとなった。しかしながら『どれみ#』(2期のタイトルの略)の商業成績は安定しており、翌年も同一の世界観・キャラクターで継続が決定した。

 

・TBS系

 

 1999年の少年・男児向けアニメは全体的に堅調であり、CBC土曜朝7時30分枠の『モンスターファーム』も延長が決定した。しかし、『モンスターファーム(2期)』は半年で終了。後番組は『真・女神転生 デビチル』であった。

 セガの「ドル箱タイトル」といえるゲームソフト『サクラ大戦』が満を持してテレビアニメ化される(先行してOVA化はされていた)。しかしながら、中村隆太郎監督の作風ゆえに賛否両論アニメになってしまった。もうひとつの夕方枠における新作『無敵王トライゼノン』は、『無敵超人ザンボット3』へのオマージュ色の強い合体ロボットアニメだったが、監督が渡部高志・キャラクター原案があらいずみるい・主題歌と声優が林原めぐみとあっては、『スレイヤーズ』色を拭いきれなかった。

 

日本テレビ

 

 2000年秋に、日本テレビ系列では2つのビッグタイトルが生まれた。

 天下の高橋留美子作品が、約8年ぶりにテレビに戻ってきた。『週刊少年サンデー』の看板漫画『犬夜叉』である。ただし放送局は、『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』を放送したフジテレビではなく、読売テレビ発・日本テレビ系列での放送となった。これにより、「19時:『犬夜叉』→19時30分:『名探偵コナン』」という『サンデー』連載作品同士の黄金タッグ枠が出来上がった。

週刊少年マガジン』の看板漫画『はじめの一歩』がアニメ化された。ただし深夜枠での放送であった。しかしながら、『一歩』(第1期)の放送回数は70回を超え(約6クール)、深夜枠アニメとしては異例の長期作品となる。『一歩』の成功により、マッドハウス制作・日本テレビ製作の深夜アニメ枠が軌道に乗ったといっていいだろう。

 

テレビ東京

 

 この年、時代を代表するビッグタイトルが2つ生まれた。

 まず『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』である。東映動画テレビ朝日版の『遊☆戯☆王』は無念の打ち切りに終わったが、前作の反省を踏まえ、カードバトルに特化したアニメとしてテレビ東京系で再出発した。安定した人気を誇り、2004年まで放送され、後番組の続編シリーズ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』につなげた。2017年現在も『遊☆戯☆王』シリーズはテレビ東京系列で連綿と放映が続いており、アニメ史に残る長期シリーズに成長した。

 もうひとつのビッグタイトルは『とっとこハム太郎』である。これは主に小学館学年誌に掲載された河井リツ子の絵本・漫画をアニメ化した作品である。一時は女児の間で社会現象的なブームを起こすまでの存在となり、アニメ版はしぶとく継続する長期タイトルとなった。日本におけるハムスターの知名度を上げたという意味でも重要な作品であろう。

 ただ、アニメファンの関心は『幻想魔伝最遊記』と『ラブひな』に集まっていた。

『幻想魔伝最遊記』は、当時男子児童だった層が「普通に楽しんで観ていた」という証言があるものの、圧倒的に比較的高年齢層の女性ファンに支持されていた。監督の伊達勇登は、この作品の成功で頭角をあらわし、2年後の2002年には超ビッグタイトル『NARUTO』の監督を任されるようになる。

ラブひな』は『週刊少年マガジン』に連載されていたラブコメディ漫画であり、今の「萌え漫画」「美少女漫画」「ラブコメディ漫画」の先駆的な作品として、作者の赤松健ともども何度も引き合いに出される。しかし、アニメ版『ラブひな』で最も注目すべきは放映枠である。水曜22:28分放映開始という、恐らく前例のない枠であり、どういう意図でこの枠に編成されたのかは謎に包まれている。かくして、深夜アニメでもゴールデンタイム枠アニメでもない、奇妙なアニメ番組が生まれた。監督の岩崎良明成瀬川なる(メインヒロイン)を演じた堀江由衣出世作ではある。

 タイムボカンシリーズが一時的に復活(『怪盗きらめきマン』)したり、他局で1990年代中期に放送されていた『魔法陣グルグル』の続編が突発的に放映されたりもした。

 1999年開始の少年・男児向けアニメは好調であり、『メダロット』も続編『メダロット魂』の製作が決定、放送開始となる。しかし、力及ばず3クールで終了。各局ともに、少年・男児向けアニメの次回作が失敗している印象がある

 深夜アニメの影が著しく薄かったのもこの年である。画期的なライトノベル作品としてブームになった上遠野浩平ブギーポップは笑わない』(電撃文庫)がアニメ化されたものの、メディアミックス作品として成功したとは言いがたかった。半年後の『アルジェントソーマ』まで、深夜アニメの新作は作られなかった。

 

WOWOWアニメ


 WOWOWノンスクランブル枠は活況を呈していた。「硬派」「軟派」それぞれの路線、「男性向け」「女性向け」それぞれの路線のマニアックなアニメを取り揃えていた。それでいて、放送枠は平日の18時台という作品が多かった。

 また、GONZOが『ゲートキーパーズ』と『ヴァンドレッド』でテレビアニメ制作に乗り出した。2000年という年に、GONZOがテレビアニメの元請け制作を始めたのは意義深いものがある。というのも、2000年代アニメは、良くも悪くもGONZOに振り回されることになったからである。

 スクランブル枠の『BRIGADOON まりんとメラン』は、近年になって改めて評価されるようになった印象がある。

 

NHK

 

カードキャプターさくら』現象が猛威を振るうなか、衛星アニメ劇場枠での後番組に指名されたのは、同じ『なかよし』掲載漫画原作の『だぁ! だぁ! だぁ!』だった。原作のストックが少ないためか、拡大解釈の余地があり、桜井弘明監督の自由奔放な作風とマッチしていた。また主演は名塚佳織(未夢)と三瓶由布子(彷徨)であり、両者とも当時中学生で、のちの出世の足がかりとなった。

 

 

 

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タル「これは……ツッコミどころ満載っちゅうことですか、わたしの論文は? (゜o゜;」

ば「そこまでは言っていない」

や「でも、疑問に思う記述部分は即座にわかった」

ば「なんでかっていうとね、タルコフスキー君、ぼくらは君より年寄りだし、2000年という年を鮮明に記憶しているから、君が『真実』だと思っていることが実のところ疑わしかった、ということがわかるわけだよ。

 それに、文章の書き方にも問題があると思った」

タル「それは全体的な文章の書き方ですか(゜o゜;」

ば「それもあるけど、言葉の使い方とか、微妙なニュアンスで気になるところがあったからチェックしておいた」

タル「では、早速どこをどうしたらいいか教えていただけませんか」

や「その前にさ、このブログの中の人が疲れちゃったみたいだから、コーヒーとお菓子で休憩しような?」

 

(続)