願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

冴えない彼女の育てかた #1

ばふちん「いやぁ、今回も演出、冴え渡っていましたね」

やこぶそん「冴えカノだけに、冴え渡っていたね」

ば「特に加藤恵を徹底して影が薄くさせる演出は見事だったよ」

や「『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』のラインなんだろうけど、一段階も二段階も上に仕上がっていたね」

ば「あのね、録画で観てるんだけど、最低画質で録ってるのね。でも、EDのスタッフクレジットが潰れて見えないから、逆に余計な作家論を差し挟まずに考えられるっていう」

や「怪我の功名みたいなもんだな」

ソーニャ「あのぉ、『演出』って、何ですか? (^O^)」

や「!」

ば(ギクッ!!)

や「あ、あのね、ソーニャちゃん、それについて話すとなると、ブログ1年分ぐらい消費しちゃうのね……」

ソーニャ「え~っ」

ば「いや、やこぶそんよ、実は最近俺は『演出』について思ってることがちょっとあるんだ。

 ふたりは『美味しんぼ』っていう漫画は知ってるよね」

 

美味しんぼ (1) (ビッグコミックス)

美味しんぼ (1) (ビッグコミックス)

 

 や・ソーニャ「もちろん」

ば「で、昔、『美味しんぼ』のアニメがやってたのよ*1

ソーニャ「え~っ、『美味しんぼ』ってアニメがあったんですか! わたし、唐沢寿明さんのドラマしか知らなかったです~」

ば「でね、ついこないだ、abemaTVでアニメ版『美味しんぼ』を久々に観たわけですよ。

 Twitterで言ってやったよ、『なんでみんなこんな面白いアニメを観ないんだろう』って」

や「ずいぶん挑発的な……」

ソーニャ「へぇ~、面白いんですか!」

ば「そういやソーニャちゃん、栗田さんに似てるな」

や「話を逸らすなよ!! (#゚Д゚)

 ばふちんは、アニメ『美味しんぼ』の演出がどうこう言いたいんだろ?」

ば「そうね。

 まさに『演出ってどんなものなんだろう』っていう問いに対するクリティカルな応答というか……そんなのを受け取った感じで」

 

いつの間にか『美味しんぼ』の話になる

ば「ほら、ニューギンザデパートの板山社長っていただろ、板山社長」

ソーニャ「ああ、あの山岡さんと仲がいいおじいさん」

や「いや、ソーニャちゃん、最初は仲が良くなかったんだよ」

ば「そ、そ、山岡がデパートの食品コーナーにケチを付けて、板山社長が怒っちゃうんだよ*2

ソーニャ「ああ、山岡さんは、最初の頃は何かとケチをつけますよね」

ば「で、例のアレだ、『本物の野菜をお見せしますよ』って言って、社長を田舎の農園まで連れて行くんだ。

 それで、社長にもぎたてのトマトをかじってもらうんだけど--。

 そこでね、田舎の畑を走り回る少年時代の板山社長のイメージがヴィヴィッドに挿入されるんだよ。

 俺は、ああいう『演出』を観て、こう思ったね。『ああ、漫画をアニメにするって、こういうことなんだ』って。

 ほら、原作漫画から何にも変わってないアニメとか、あるでしょ? (^_^;)」

や「あるねぇ」

ソーニャ「ありますねぇ」

ば「確実に演出家の『解釈』や『脚色』が、アニメ版『美味しんぼ』には入ってるんだけど、それでこそ『演出家の矜持』じゃないかと思うわけですよ」

ソーニャ「(少し考えて)ーーつまり、『漫画の引き写しじゃダメ』ってことですか?」

ば「そう、それ!」

ソーニャ「演出には、演出家の『解釈』や『脚色』が入らざるを得ない。でも、それでこそ本当の『演出』なんだってことですね」

ば「そう! 

 演劇や映画だと、それがもっと露骨に出るんだけどね」

や「ずいぶん冴えカノから遠い地点に来たな……」

ソーニャ「そうですねw」

ば「でもさ、『冴えカノ』は、原作が小説なわけじゃん、ビジュアルが用意されてないわけじゃん。

 そんな場合、どうしても演出家の『解釈』や『脚色』が必要になってくるわけだよ」

や「たしかに」

ば「そういう意味でも、冴えカノの演出は冴え渡ってるっていうわけ」

や・ソーニャ「なるほど……」

*1:1988年~1992年放映。

*2:アニメ版では第3話「野菜の鮮度」。