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願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

女児アニメ!

2016年のテレビアニメを振り返ってみよう計画

 1966年、初の国産魔女っ子アニメが誕生した。『魔法使いサリー』である。今年はそれから50周年の節目の年であった。『魔法つかいプリキュア!』これが、今年度のプリキュアシリーズのタイトルであった。明らかに、『魔法使いサリー』の50周年を意識している。ただ『魔法<使い>』だと現代っ子にはいかめしくなるので『魔法<つかい>』表記になっている。

 

 現在本放送されている、「女児向けアニメ」とみなされるであろうタイトルを列挙してみる。

 この中で現在僕が毎回録画しているのは『プリパラ』と『アイカツスターズ!』だけ。本来なら網羅的に観るべきなのだが、そうは問屋がおろさない。

 

猛威を振るう”女児アニメ”

 個人的な体験を話すと、女児アニメの脅威を初めて意識したのは、『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』(2001年)がカルト的な人気を博していたころだったと思う。『おジャ魔女どれみ』シリーズがまだ放映されていた。実は、『どれみ』を喜々として称揚する大きなお友達を、当時若干軽蔑していた。じゃあ無印のシリーズディレクターは誰だったのかって話ですが。

 2002年度になって、テレビアニメの構造に新たな変化が訪れる。完全週休二日制の導入に伴う「土朝枠」の開拓である。特にテレ東系列は、土曜朝に『満月をさがして』『東京ミュウミュウ』『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』を連続して編成していた。少女漫画原作アニメ3連発である。いや、観てたよ、こっそりと。だが『ミルモでポン!』が枠移動した頃にテレ東女児アニメは新たな局面を迎えたのである。

 

 眼をひくのが「サンリオ枠」の暴走である。『おねがいマイメロディ』(2005年)がカルトアニメ同然の扱いとなり、後番の『ジュエルペット』(2009年)はおとなしいと思ったら、『 ジュエルペット てぃんくる☆』(2010年)が絶賛され、『ジュエルペットサンシャイン』(2011)は違う意味で絶賛された。サンリオカオスアニメの血は争えなかったのである。

 そして土曜朝には『しゅごキャラ!』(2007年)、『プリティーリズム・オーロラドリーム』(2011年)と大きなお友達がいかにも食いつきそうなコンテンツが充実し、土日朝のテレ東女児アニメは話題に事欠かなかった。

 もちろん東映とABCが『プリキュアシリーズ』を立ち上げて大きなお友達の耳目を集めているのは、周知の通りである。

 

台風の目

 さて、女児アニメとは、いったいなんなのだろうか?

 初め僕は、女児アニメは「神風」だと思った。例えば双葉社の「漫画アクション」は、低迷のたびに『ルパン三世』『クレヨンしんちゃん』などビッグタイトルが勃発し、雑誌の危機を救い『アクションの”神風”』と呼ばれていた。ただ、この意味での「神風」は、アニメに敷衍すると、アニメ産業が苦しいときに女児アニメが何度もピンチを救うというニュアンスであり、やはり「神風」という定義はあまりふさわしくないんじゃないかと思った。

「穴をあける」とは、競馬用語で人気薄の馬が突っ込んでくることだが、プリキュアは別として、『コメットさん』『おねがいマイメロディ』など、まさに「台風の目」であった。ノーマークの女児アニメが、大きなお友達に熱狂的に支持され、シーンに食い込んでくるのである。

 思えば、過去15年あたりのテレビアニメを振り返ってみると、定期的にノーマーク女児アニメの評価が暴騰して一角に食い込んでくる、の繰り返しだったような気がする。

 今の女児アニメ(↑で挙げた5タイトル)は若干おとなしい。むしろ『デュエルマスターズシリーズ』(プリキュアの裏)や『妖怪ウォッチ』など、どちらかというと男児向けアニメで暴風が観測されているような気がする。

 

 それでも、僕は『プリパラ』と『アイカツスターズ!』を観続けている。かつて某ブログで、プリティーリズムアイカツは業界を回す2本の「車軸」である、と表現した。その比喩が当たっているかどうかはわからない。そもそも今のテレビアニメに「中心」があるのだろうか……まぁ、そこが国産テレビアニメのいいところなのだがーー『プリパラ』と『アイカツスターズ!』を観続けることで、一体何が見えてくるのだろうか?