読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

『あんハピ♪』

 内容より技法が目立っているタイプの典型的なアニメ。キャラクターの”気性”を考えたい僕にとっては、難攻不落な相手だ。

「どう語っていいかわからない」アニメが、1クールに必ず1本は存在する。そして「どう語っていいかわからないアニメ」は、

・デフォルメされた美少女が主役

・男性キャラの影が極端に薄い

・コメディである

・よって、殺伐としたシーンは基本的にない

・ほとんど1クール

・実は技法に凝っている

という共通点を持っていることが多い。

 そして『あんハピ♪』は、上記の6つの項目をすべて満たしている。

 上記6つの項目をすべて満たすアニメで、真っ先に思い出すのは『ひだまりスケッチ』だ。特に6つ目の「技法に凝っている」という点が決定的であるように思う。例えば『ご注文はうさぎですか?』は、上から5つまでの項目を満たしているが、「技法に凝っている」という点で『ひだまりスケッチ』や『あんハピ♪』に一歩遅れている。いや、それでも好きだけどさ。

ひだまりスケッチ』シリーズと『あんハピ♪』の違いは、キャラクターについて雄弁に語れるか否かだ。誤解を恐れず言うなら、『あんハピ♪』はキャラクターが弱い。というよりも、キャラクターの”気性”について語る余裕がまだない。『ひだまりスケッチ』の主要キャラは凄く強烈というわけではないが、長い年月をかけて僕に馴染んだ。原作漫画単行本という「副読本」を持っていることも大きい。ゆの、宮子、ヒロ、紗英、吉野屋先生といった人物について、僕は雄弁に語ることができるはずだ。ただ、『あんハピ♪』の主要構成人物ーーはなこ・ヒバリ・ぼたん・ヒビキ・レン、こういったキャラクターは、まだ僕に定着していない。それは出来たてホヤホヤの今年放映アニメというハンデが大きく影響している。

 となると、「どう語っていいかわからないアニメ」に『あんハピ♪』は分類されてしまうことになる。それでは、『あんハピ♪』は僕にとって不可解な存在にすぎないのであろうか?

 断じてそうではない。僕はアニメを途中で投げ出すことが多い。だが『あんハピ♪』は違った。今年放映開始のアニメでは珍しく最終話まで観切ったアニメである。コメディアニメとして充分満足できたアニメである。

 そうでなければ、わざわざ単一の記事を作って紹介するわけがない。『あんハピ♪』を観る作業は、楽しいものであった。終始心地よい気分でいられた。

 たしかに『あんハピ』は「どう語っていいかわからない」。言葉を継いでも継いでもどう論じていいかわからない。「好きだ」「楽しかった」「強い自分になれると思った」「心地よかった」「癒しだった」、こういうつぶやきが残るだけだ。