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願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

『舟を編む』

舟を編む』は先週から観始めたばかりです。というより、たまたま夜更かししていたので、「久々にノイタミナでも観てやるか」と思って観たのです。それが7話。

 

 今週が8話でした。「鉄は熱いうちに打て」といいますが、記憶が冷めないうちに書き留めておきたいところ。昨夜放送の8話についてちょっと書いてみたいと思います。

 

 今回のキーパーソンは、『大渡海』の編集部に異動になった元ファッション誌編集者の「岸辺みどり」さんです。

 

(ところで、僕の偏見かもしれませんが、アニメに出てくる「若い女性会社員キャラ」って、スタイルが良い人が多いですよね。岸辺さんも脚が長かった。これはテレビドラマの影響なんでしょうか。確かにドラマって若い女性編集者が出てくるのがたくさんある印象だなあ。まぁ、このアニメの主要キャラクターはほとんどスタイルがいいと思うんですが……。)

 

 岸辺さんは、今まで所属していたファッション誌からの環境の激変に、最初は馴染めません。

 馬締は、岸辺さんの歓迎会をしてやろうと、「つれあい」の林香具矢が働いている料亭で酒宴を開きます。そこには異動になった西岡も含め、『大渡海』関係者が集まってきました。

 馬締と二人きりになったところで、「わたし、辞書づくりなんてできません!」と、グデングデンになった岸辺さんが不満をぶちまけます。馬締は、「岸辺さんは、言葉を大事にするひとだから『大渡海』の編集に選ばれたんだよ」と言ったのですが。

 岸辺さんは料亭を飛び出して夜の公園に逃げてしまいます。するとそこにかつて『大渡海』の担当だった西岡がやってきます。西岡は公園でうなだれている岸辺さんを偶然見つけたのでした。

 西岡は岸辺さんに質問します。「『右』ってどう説明する?」その問に答えた岸辺さんは、西岡に「やっぱり君は『大渡海』に向いている」と言われるのでした。

 

ーー長々と書きましたが、より正確なあらすじは公式サイト(

第八話「編む」 | 舟を編むニュース - ノイタミナニュース)に載っています。というか、公式のあらすじ、本編を全部説明しちゃってますね。どのタイミングで全体内容についての記述を更新するのでしょうか? まぁ原作はとっくに文庫になってるしネタバレとか関係ないのか。

松方弘子と岸辺みどり

 ところで、岸辺さんみたいなキャラ、ほかのアニメではなかなか出てきませんよね。

 これは「岸辺さんのポジションのような妙齢の女性キャラ」が、ほかのアニメではなかなか出てこない、という意味ではありません。

「若い女性編集者」でフィルターをかけると、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』に出てきた伊織・フェイト・刹那だったり、それこそ初期「ノイタミナ」のラインナップであった『働きマン』の主人公・松方弘子だったりが浮かび上がってくるんですが。

 どうも、松方弘子と岸辺みどりの間には、隔たりがあるような気がします。そのことには、丁度10年という放映年の隔たりが生んだ、アニメの「絵」の隔たりというものが絡んでくる、という認識は、8割がた間違っていないでしょう。『舟を編む』って線が細いもんね。

 では、松方弘子と岸辺みどりの隔たり、残りの2割はなんでしょうか? 

 僕は、残りの2割は、やはり、双方の「気性」の微妙な差異だと思う。

 実は僕、『働きマン』の1話は観たんですよ。アニマックスの特番で1話だけやってくれたの。で、松方弘子って「肉食系」ですよね。記憶が正しければ、彼氏とセックスの頻度が下がってるのを嘆いたりしていたし。30歳になるまでに編集長になるという「野望」を抱いているらしいので、そこらへんも「肉食系」な気がします。

 で、岸辺みどりさんも、基本は「肉食系」だと思うんですよ。ここは意見が分かれるかなあ。アニメ版の8話だけで考えてみたい(原作などの付帯情報は取り除きましょう)。酒の席でグデングデンに酔っ払ってるでしょ? あの酔い方を観ると、素は「肉食系」だと思うんです。ピューって走り出しちゃうもんね。もっとも、岸辺さんの背景になにがあるかなんて、昨夜の放送を観た限りではぜんぜんわからない。結婚指輪をはめてなかったので独身でしょう。恋人がいるかどうかはわからん。恋人がいたとしてセックスレスになっているかなんてもっとわからん。

 でも、完全なる肉食系の松方弘子と比べ、岸辺さんには草食系成分が混じっていると思った。

 そういう差異が、双方を隔てている。

構成員が高年齢の『舟を編む

 何の話でしたっけ。「岸辺さんみたいなキャラはほかのアニメにはなかなかいない」って話でしたよね。でもねえ、こう言い換えたほうがいいかもしんない。

 

「『舟を編む』に出てくるようなキャラは、ほかのアニメにはなかなかいない」

 

 第一、構成員の平均年齢が高い! しかも先週と今週で、13年も時が開いてるんでしょう? 馬締や西岡なんか「中年」というよりももう「壮年」にツマサキ突っ込んでるんじゃないかなあ。

 さっきアニメに出てくる女性編集者の例で『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の伊織・フェイト・刹那を出しましたけど、あのアニメ中学生と高校生ばっかり出てきますからね。伊織・フェイト・刹那もそうだけど、あの悪名高き桐乃のラノベアニメ化回に出てきた、ヤマカンみたいな脚本家とか、そういった大人キャラは例外ですからね。高坂夫妻とか、地味子の家の爺さん婆さんとか、作品の骨子ではないわけですから。

 それこそ『働きマン』も構成員の平均年齢がテレビアニメとしては高かった気がするけど、『舟を編む』は相当ですよ(松本先生とか死亡フラグ立ちまくりだったでしょ?)。

 で、『舟を編む』よりも「深い」時間帯にTBS木曜深夜枠があったわけですけど、『私がモテてどうすんだ』と『ガーリッシュ ナンバー』というタイトルからして、若者受けを狙ってるの、否定できないよね。

 

舟を編む』の立ち位置と対象層は如何に?

 そうすると『舟を編む』はひたすら我が道を行っている気がするなあ。

働きマン』って、原作のほうが圧倒的に有名で、「チャットモンチーの『シャングリラ』ってこのアニメのEDだったのかよ!?」って、後で僕も驚きましたよ。

 で、10年後の『舟を編む』。やっぱり若さには勝てないのか、若干空気寄りな気がします。

Animetick / アニメティック - アニメ視聴管理サービスの数値がどんだけ参考になるかわからんけど、『舟を編む』の視聴者数は上から数え13番目。うーん微妙。逆にこのメンツの中で健闘している気もしてきたなあ……。でも『舟を編む』の上にいる12作品のうち、やっぱり『3月のライオン』以外は、キャピキャピしているというか、対象視聴者層が若い(あるいは、『幼い』)気がします。

 

「~向け」とか語りだすとキリがないんで、この辺にしておきますが、こういうアニメ、もっとあってもいいよね、というのが、個人的な『舟を編む』に対する印象です。次回以降も要チェックだな。「血潮」っていう不穏なサブタイがついてるけど。