読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

2016年のテレビアニメ××選(仮)……へ向けての前置き

深夜アニメやめますか、人間やめますか

 僕は煙草を吸わない。でも、深夜アニメは煙草みたいにやめられないものだなあ、という比喩はぴったり当てはまると感じる。

 僕は一時期深夜アニメをリアルタイムで観ずに過ごしてきた。超・朝型人間といったところだが、11月に入ってからまた生活が(若干)夜型に傾いている。24時台の番組なら観ることができるレベルまで、夜型に返り咲いた。

 ただ、26時台ともなると「深すぎる」。『ユーリ!!! on ICE』というアニメが話題になっているが、キー局のテレビ朝日では、水曜日の26時台の枠。そういえば、2000年代中期のテレ朝深夜枠もこんな時間だったらしい。こりゃ時間帯が遅すぎるわ。

 何が言いたいかというと、僕、年を取って体力が落ち、夜中にずっと起きていることがしんどくなったんです。二十歳前後のとき(2008年頃)は、土曜日はいつも28時台~29時台(つまり、日曜日の早朝)まで起きていた。なぜかというと、『ストライクウィッチーズ』が確か27時台に編成されており、テレビ神奈川の一連の深夜アニメ(俗に言う”アニメマラソン”)が終わるまで落ち着けなかったからである。『ストライクウィッチーズ』が終わってから、精魂尽き果て、文化放送を子守唄にして就寝していた次第だ。そりゃ身体壊すわ。

 加齢による体力の悪化は、確実に二十歳前後に深夜アニメで無理をしすぎたことの結果である。「覚醒剤やめますか、人間やめますか」というキャッチコピーは今も有名だが、「深夜アニメやめますか、人間やめますか」と問われたら、僕は絶対に深夜アニメのほうをやめる。

立つ瀬のないテレビアニメ

 そもそも”深夜アニメ”という概念が前時代的である。アニメはネットで観る時代。かつてニコニコ動画において、なかば無法地帯のようにテレビアニメが違法アップロードされていたころを覚えておられるアニメファンが、どれだけいるだろうか?

 かつては、「ネットでアニメを観る」という言葉には、背徳的な響きがあった。

 しかし、当のニコニコ動画がアニメの公式配信を行うようになってから久しいし、dアニメストア、abemaTVといった新規の公式配信ツールも続々と出現しているいま、「ネットでアニメを観る」という言葉に背徳的な響きなど微塵もない。

 

 テレビアニメに追い打ちをかけるのは、劇場版アニメの隆盛だ。

君の名は。』が天文学的な興行収入を得ている。もうこうなったら『君の名は。』は”アニメじゃない”。

 思えば、昨年末の『ガールズ&パンツァー 劇場版』に端を発し、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』のまさかのブーム、その他にも『聲の形』、『この世界の片隅に』など話題作が続発、アニメじゃない分野であっても『シン・ゴジラ』は庵野秀明監督作品、「日本映画始まったな」というジョークがジョークでなくなってきた。

 ガルパン4DXで映画館で映画を観る楽しさに目覚めてしまったオタク、「日本アニメが劇場アニメに傾斜しているのではないか」という論調。これではテレビアニメの立つ瀬がない。

 

 僕は、いまさら「放映枠理論」とかを持ち出して、テレビアニメを称揚するつもりはない。ただ、いくつもの名作テレビアニメで育ち、宮﨑駿のアニメ映画すらも「テレビ放送」で幾度となく観てきた立場からすれば、テレビアニメの立つ瀬がないのは寂しい。

(ちなみに、僕の実家には、『となりのトトロ』地上波初放送時のビデオテープがある、もう再生できないが。)

 

 流れに逆らうつもりはない。「深夜アニメ」はおろか、「テレビアニメ」という概念すら曖昧になっている現在の流れに……だとすれば、これからやろうとする企画は、言うなれば「テレビアニメ」に対する「葬送曲」であり「鎮魂歌」である。

 

「話数単位」への懐疑

  ある日、abemaTVで『SLAM DUNK』を観ていた。その時思ったのだ、「このアニメを『話数単位』に切り分けるのは無理だな」と。『SLAM DUNK』は1話1話をバラバラにして考えるのではなく、何話かのまとまりで考えなければいけないアニメなのだ。

 たとえば、翔陽戦ならば、「翔陽戦が描かれている話数」を1つのまとまりで考えなければいけないのではないだろうか。必死にwikipediaの各話リストと自分の記憶を照合させてみると、アニメの『SLAM DUNK』で翔陽戦が描かれているのは、約10話分である。

 もっとも、1クール速攻系萌えアニメ*1--僕は決してこれを侮蔑の意味で用いているのではない--と『SLAM DUNK』を比べれば、時代は違うし枠は違うしシステムが違うし何より話数が違う。『SLAM DUNK』の通算話数は100話を超えている。それならば『SLAM DUNK』を援用して「話数単位で選ぶ◯◯選」を否定するのは間違いではないか? 僕はそういう反論を当然見越したうえで、敢えて今回は「話数単位で選ぶ」というルールを放棄して、極めて偏向的で主観的な趣向から、危機に晒されている「テレビアニメ」を選抜してみたいと思う。

*1:麻雀用語から拝借して『特急券』とも呼ぶことができる