願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

五七五七七(5)

星屑の 間奏曲を 真夜中に 堂々と聴き 朝を迎える

朝もやの 寒さの中を かきわけて 目にうつるのは 東京砂漠

東京は 怖い街だと いつまでも 思いは消えず ただ朝もやに

朝もやの 狭霧の中を いかずちが やおら刺さるは 僕の妄想

妄想を 集めてできる 百貨店 形式よりも 厄介なもの

敗北の フォルマリズムを 抱きしめて 部屋に埋もる シクロフスキー

ロシアへと 恋い焦がれてた 二十歳の日 今のあたしは 生ける屍

トルストイ 彼に優れる 作家なし」 本気で思う 21世紀

新世紀 この言葉さえ すり減って このスタジオで 鳴らすサイレン

崩落の スタジオだけを 眺めやり 寒さでかじかむ 記念の写真

写真立て 僕の部屋には ないもので ないものねだり 惜別の冬

惜別の 軽い色紙を 手渡して 静かに手を切る 軽い関係

「関係論 そんなものなど 古代から あるに決まってる」きみは叫んだ

叫び声 あの教場に こだまして 滅茶苦茶にせよ 哲学専攻

哲学を 乾いた喉で 潤して リフレインだけ 静かに畳む

哲学が 僕の寝床に やってくる 朝を迎える 薬も飲まず

薬局に 自ら運ぶ 並足よ 漢方だけが 僕の友だち

「サンチャイルドは僕の友達」聴きながら 押し黙るのは 悪い癖だね

悪癖を 積み重ねては 12年 「外に出よう」と 張り詰める背中

背中には お灸もすえず 15年 雨中に蹴った サッカーボール

サッカーを おもむろに観た 石段に 二段重ねの きみの弁当

弁当を ひっくり返す 石段に 咲き誇るのは 誰の暗色

暗い色 ちゃぶ台返し 紅い花 光を捨てず 僕はこの道を

この未知を 突き抜けていく 赤光の 責任者だけ 晒し者だね

晒された イエズス会の 棟梁を 目で殺すのは 桶屋のむすめ