願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

五七五七七

草の葉を 集めて燃やす 神田川 風のなびきは アメリカひじき

詩集だけ ゴミの日に出す 月曜日 風のなごりは うたかたの日々

荒塩の 鱒の巨体を 抱きしめて ひたすら歩く 初秋のなかを

銀色の さかなの山を 釣り上げて 囲んで飲んだ 麦酒のなごり

釣り針が 汚点を残す 咎人に 寄せては返す 北陸の海

塩漬けの 白き巨体を 鍋で炊き 俺の社会は 六畳一間

白秋を 歌って長く ひとりごち 片脚を出す 朝もやの中

混濁が 上野の森を 醸し出し 夜更けに惑う 西郷の像

上野原 京成線が 発車して 千葉に突き刺す 潔白の鉄

小雨かな 博物館を 見下ろして 上野の夏は 清廉潔白

黒色の 掟の門に ひざまずき くにの旗だけ 静かにかざす

今日もまた ヨドバシカメラ 練り歩く 暇つぶしかな われの人生

ジャンク屋が 強気に書いた 値札の値 幾千人が 目にも留まらず

青年が いのちを削る ソフマップ 青い模様が けむりの様で

ファミコンを 求めて歩く 秋葉原 任天堂は ぼくの友だち

レコードを 再び廻す 喫茶屋に 甦るのは 家族の絆

針落とし ジャズを聴き入り 500円 白濁とした 天井回路

古本は さまよう刃 鋭利の剣 紙と神とが 通じ合う場所

交差点 見下ろしながら 本を取り うなだれながら 続く後悔

船に乗り デニムバッグを 股に置き 太平洋を 殴って廻す

よく煮えた 後楽園の しぐれ煮を ぶちまけかけた スラム回廊