読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

願いがいつか叶うまで

ひとりじゃない

「高町なのはさん、少し、頭冷やそうか」

自分の中の攻撃性と向かい合わなければならない。

 

第8話「願い、ふたりで」において高町なのはがブチ切れ、ネット上では瞬く間に「白い悪魔」という言葉が広まった。「白い悪魔」の由来は『機動戦士ガンダム』のRX-78ガンダム。その称号が高町なのはにも適用されたわけだ。

 

「少し……頭、冷やそうか」(byなのは)という有名なセリフに象徴される第8話の後日談(というよりも、事後処理)たる第9話「たいせつなこと」、これがまずかったと、彼は語る。

 

「まず『たいせつなこと』というサブタイトルが不愉快でした。あまりにも安直で、サブタイトルの押し付けだと思ったから、腹が立ったわけです。結局なのははスバルとティアナの懐柔に表面上は成功したわけです。でも、なのはに対しても、スバルとティアナに対しても、僕は納得できませんでした。

 いちばん納得できなかったのはシグナムの態度です。シグナムが病み上がりのティアナを張り倒すシーンが特に不快でした。8話と9話の顛末が未だに飲み込めないのは、シグナムの暴力シーンのせいです」

 

なるほど、スバル・ティアナの攻撃性、なのはの攻撃性、シグナムの攻撃性(暴力性)がないまぜになっている印象を受ける。

 

「何しろ9年前のことなので、うろ覚えで語ってるんですけどね。

『StrikerS』のなのはは、自分の中の攻撃性と折り合いをつけられたのでしょうか? 8話9話を思い出すと、疑問になります。8話の終盤で、なのはは攻撃性を行使しました(『少し頭冷やそうか』)。重要なのは、その攻撃性に対する『自己反省』がないことです」

 

たしかに、『StrikerS』のなのはには、自己反省が欠けている面があったことは否めない。ただ、彼は、その乱れを、全話の脚本を担当した都築真紀の責任にはしない。

 

「だってそれは作家論でしょう。いまどき作家論なんて100年遅いですよ。まぁ、これも攻撃的な言い方だけどね(笑)」

 

彼は、都築真紀を知っている。草川啓造を知っている。知っているからこそ、彼らをカッコに入れる、いやもっと言えば、「制作者への死刑宣告」(ロラン・バルト風に)。

 

「いや、『死刑宣告』とは、物騒にすぎますね。でも、制作者のコメントを根拠にする論考は、やっぱり100年遅いと思っています。再三繰り返しているとおり、僕は制作者よりも、作品よりも、『キャラクター』の『気性』をわかってあげたいんです」

 

彼は、『StrikerS』期のなのはが、ユーノに対しても誠実な態度ではなかったと言う。もっとも、『StrikerS』期のユーノは、ものすごく影が薄い。彼は、そのことを受け入れた上で、ユーノに対するなのはの接し方にジレンマを感じているという。

 

(つづく)